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2022/02/10

再びラッセル祭りで疲弊する: 富栄山その2 

2022年2月6日 岡山県鏡野町 富栄山(標高1205m) 


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12:58 ランチ休憩を終えて、先を急ぎます。ランチ休憩をした場所は標高1030m付近で、わりと緩やかで広い場所でしたが、標高1050mを過ぎると尾根が急激に狭まり、傾斜もきつくなってきました。


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雪も深くなり、ほぼ膝近くまで埋まるのが珍しくない状態になり、体力的にもきつくなりました。


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13:18 木立の向こうに空が見えるようになってきました。稜線まで近いようです。


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13:31 ようやく稜線に出ました。のとろ温泉を出発してすでに4時間以上が経過しています。一ノ森では13時30分を撤退時間としていましたが、今回は標高も低いし初めての山ではなく状況はわかっているため、14時を撤退時間にしていました。なので、山頂を目指すことにしました。


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山頂へ続く稜線は、かなりの強風が左手(西)から吹いています。写真の右半分がすこし白っぽくぼんやりと見えるのは、風に巻き上げられた雪煙のためです。


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しかし、歩いて行くにつれて青空が広がり、陽射しが背中にあたるようになったので、あまり寒さは感じませんでした。


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眼下の森から白い煙が猛烈に沸き上がっていますが、あれも強風による雪煙です。


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13:50 撤退時間10分前に山頂に着きました。展望台は半分ぐらい埋まっているかと思っていましたが、1/3程度埋まっているだけでした。


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振り返ると、自分だけのトレースがずっと続いています。雪山登山の魅力のひとつが、真っ白な雪原に自分だけのトレースを付けて歩くことですが、今日は最初から最後までたっぷりと堪能することができました。


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あまり時間がないので、すぐに記念撮影です。山名板は雪の中だったので、とりあえず背景が見える場所で撮るだけにしました。


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山頂の気温も、やっぱり氷点下7度でした。



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13:57 撤退時間がせまっているので、記念撮影を終えたらすぐに下山です。ワカンを装着しているので、展望台にも登らずそのまま折り返すだけとなりました。何しに登ってきたんだかという気もしますが、ランチはすでに終えているし、のんびりと風景を眺めるほど時間もないし寒いしで、こればかりは仕方がありません。


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下り始めると突然吹雪が襲ってきました。このまま悪化するとやばいなと思いつつ下りましたが、幸いしばらくすると収まりました。


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再び青空も見えるようになってきました。今日は、雪雲が流れてくると悪化し、過ぎ去ると回復するという天気の繰り返しです。


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14:11 あっという間に稜線に出てきた場所まで戻りました。あとはひたすら尾根を下るだけです。


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風の強い場所では、上りでつけたトレースがすでに消えかけていました。稜線でも一部完全に消えていた場所もあったので、トレース頼りの登山は危険です。雪山登山ではGPSは必須のアイテムと言えるでしょう。スマホのGPSでも性能的には問題ないと思いますが、電話と兼用だと電池の持ちが心配です。気温が低いとさらに持ちが悪くなるので、予備電池も必須と言えるでしょう。


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14:45 丸太橋まで戻ってきました。下山はあっという間です。むしろ、無雪期よりも早かったかもしれません。


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丸太橋の先で小尾根に登り返すところがきつかったです。


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15:17 登山口です。無雪期ならこれで歩かなくて済むところですが、ここからさらに林道歩きが始まります。


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キャンプ場管理棟前の除雪が始まるところでワカンを外しました。つけ方が甘かったのか、最後はちょっと斜めになっていて妙な状態でしたが、けっきょくずっとつけっぱなしでした。ワカンにももう少し滑り止めが欲しい所なので、状況によってはクランポンと組み合わせるなど工夫する必要がありそうです。


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15:40 のとろ温泉に着きました。行動時間はほぼ6時間半となり、その大半が一人ラッセルでした。さすがに精魂尽き果てたという感じです。のとろ温泉の閉店時間は冬は17時ですが、まだ1時間あるということで、速攻で温泉に入りに行きました。最近はコロナ禍で登山後に温泉に入ることはなくなりましたが、久しぶりに入ってみるとやはり極楽でした。できることなら2時間ぐらいのんびりと入っていたいところでしたが、閉店時間になったので後ろ髪をひかれつつ家路に着きました。

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2022/02/06

再びラッセル祭りで疲弊する: 富栄山その1 

2022年2月6日 岡山県鏡野町 富栄山(標高1205m) 


天気予報では最強クラスの寒波が来ているということで、県南の低山にでも行こうかと思っていたのですが、GPV気象予報をよくよく見ると、5日の日中は那岐山あたりはあまり雲がかからない予報になっていましたが、那岐山はこの前登ったばかりだし人が多そうなので、他にないかと検討した結果、県境尾根からだいぶん南に離れている富栄山あたりも雪雲がほとんどかからない予報になっていたので、富栄山に行くことにしました。


ただし、予報では標高1000mで気温はマイナス7度、風速14m/秒ぐらいになっていたので、かなりの寒さであることは間違いない所です。ちなみに、この日の大山はずっと雪雲がかかることになっていて、気象条件もさらに厳しい予報だったので、初めから候補に入っていませんでした。それでも大山で遭難したというニュースが流れていて、相変わらず無謀登山者は後を絶たないようです。


厳冬期に富栄山に登るのは、2016年12月25日以来です。しかし、その時は雪が少なく気温も高かったので、夏道を辿っています。今回はかなりの積雪があり冬尾根を登ったのですが、冬尾根を登ったのは2013年2月11日以来で、なんと9年ぶりです。


装備リスト
●アッパー
 ドライレイヤ: ミレー ドライナミックメッシュ3/4シャツ
 ベースレイヤ: モンベル ジオラインLWラウンドネックシャツ
 ミドルレイヤ: マムート フォレイカーハイブリッドジャケット
 ソフトシェル: マムート ウィンドストッパーアクティブシェルジャケット
 ハードシェル: マムート マサオジャケット
 インサレーション: ノースフェイス レッドポイントライトジャケット
 グローブ: マムート メロングローブ
        ショーワ テムレス02ウィンター
 キャップ/ハット: マムート サブライムビーニー

●ボトムス
 ドライレイヤ: なし
 ベースレイヤ: ノースフェイス ウォームトラウザーズ
 ミドルレイヤ: なし
 ハードシェル: マムート クルーズHSサーモパンツ
 インサレーション: なし
 ソックス: スマートウール マウンテニアリング
 シューズ: スカルパ モンブランGTX
 ゲイター: マムート ゴアテックスゲイター

●ギア
 バックパック: マムート トリオンプロ35+7L
 ストック: ブラックダイヤモンド トレイルコンパクト
 クランポン: ペツル サルケンLLU
        マウンテンダックス HG121(4本爪)
 アックス: なし
 ワカン: エキスパート・オブ・ジャパン スノーシューズL


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最強クラスの寒波の中の登山ということで、厳冬期日本アルプスに登るのと同等の装備にしました。アッパーに関しては、いつもは使わないミドルレイヤに化繊中綿入りのマムート フォレイカーハイブリッドジャケットを選択しました。その分、ソフトシェルは薄めのウィンドストッパーのマムート ウィンドストッパーアクティブシェルジャケットにして、熱すぎないように調整しました。なお、ハードシェルジャケットは、結局使うことはありませんでした。その意味では、ミドルレイヤとソフトシェルジャケットの組み合わせがなかなか優秀だったようです。


今回の失敗は、インナーグローブを忘れてきてしまったことです。このくそ寒いときにインナーグローブがないと指が冷えそうですが、メロングローブはけっこう保温力があるので、なんとかなるだろうということでそのまま行きましたが、二度ほど指が冷たくてグローブの中で手を丸めて指先を温めるようなことになりました。しかし、山頂付近では問題なく、無事に下山することができました。


ボトムスは、こちらも中綿入りのマムート クルーズHSサーモパンツを選びました。正月の八ヶ岳天狗岳で氷点下10度の強風下でもまったく寒さを感じなかった実績のあるパンツです。もとはスキー用ですが、その分股下が少し長めで、インナーゲイターもパンツの裾よりも長めに作られているので、脚を上げてもずり上がることがなく、めんどくさいゲイターを装着しなくても雪の侵入を防いでくれるのも長所です。


靴とソックスも、厳冬期の3000m級の登山に対応するスカルパ モンブランGTXとスマートウール マウンテニアリングの組み合わせとしました。もちろん、下山するまで一度も足が冷たいと感じることはありませんでした。


クランポンは、スカルパ モンブランGTXに合わせて12本爪のペツル サルケンLLUを持っていきましたが、これは念のためということで、やはり使うことはありませんでした。



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9:12 のとろ温泉駐車場を出発します。2013年2月に来たときは、キャンプ場管理棟前の駐車場まで車では入れたのですが、今回は道が除雪されていなくて進入不可だったので、のとろ温泉の駐車場の隅に停めさせてもらいました。


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のとろ温泉入口前のヘアピンカーブの所からキャンプ場に向かいます。除雪されていないとはいえ、人一人分の幅の除雪はされていて、手押しタイプの小型除雪機で通路を作ってくれたようです。


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積雪深は約50㎝といったところです。膝下高さでした。ここでこの深さだと山に入るとどれほどの深さになっているのか、気になるところです。


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除雪はキャンプ場管理棟前の駐車場入口のところで終わっていました。管理棟に行くための除雪なら管理棟がある右へ続いていてもよさそうなものですが、妙なところで終わっています。とにかく、ここからラッセルが始まることになりました。


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100mほど歩いたところで、左手に新しい公衆トイレができていました。ツボ足で進むのは厳しいので、軒下でワカンを装着して行くことにしました。ついでに、トイレが使えるかどうかを確認してみましたが、予想通り鍵がかかっていて使用できませんでした。


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久しぶりにワカンを装着したので少し手間取りましたが、なんとか装着することができました。


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10:00 長い林道歩きを終えて、ようやく登山口まで来ました。途中ワカン装着で5分ほどロスしたとはいえ、のとろ温泉から50分近くかかってしまいました。この調子だと今日は登頂は無理かもと一抹の不安を覚えつつ、登山道に足を踏み入れました。


登山道からすぐに始まる階段の急登部分は、段差の所が空洞になっていて何度か踏み抜いてしまったので、階段脇の斜面と思われる場所を登りました。


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階段区間が終わり、斜面のトラバース区間になると雪が次第に深くなり、ワカンを装着していても足首ぐらいまで沈みました。


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10:46 登山口から続く小さな稜線からいったん下って谷に降りたのですが、渓流沿いにまっすぐについているはずの登山道だと思われるところを歩いてきて、見慣れない光景に立ち止まりました。渓流沿いの緩やかな登りの道だと記憶していたのですが、前方には記憶にないこんもりとした小山のよなものがあり、はたしてこれをそのまま越えていけばいいのかどうか自信がありません。右下には確かに渓流が流れていて、辿ってきた足跡も変に曲がっているわけではありません。しかし、こんなところにこんな大きな段差があったという記憶はありません。


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さりとて、左に行くと明らかに渓流から離れてしまいます。GPSを確認してみても、やはり谷沿いにまっすぐ進むようになっています。仕方がないので、そのまままっすぐ進んでみると、その先で丸太橋を見つけました。もしかしたら、あの小山のような盛り上がりは積雪によるものだったのかもしれません。積雪期には無雪期と様子が変わってしまうということが時々あるので、無雪期の記憶だけを頼りにすると道間違いなどを起こしかねません。要注意です。


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丸太橋を渡り、少し登ったところで林道出合です。ここから林道上の斜面を斜めに上がっていくわけですが、取付きにだけかすかなトレースの痕跡が見られるだけで、その先は完全に雪の斜面になっていました。足場を確認しながら、ワカンのまま斜面をトラバースするのはなかなか骨が折れました。


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ようやく尾根にのりました。尾根上もなかなかの積雪です。


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足首上まで沈むサラサラの積雪の積もった尾根を、一歩づつ登っていきます。尾根にのってからすぐにロープのある急登が続きますが、ロープは深い雪の中なのでまったく使うことができませんでした。


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一つ目の急登を登り終えてほっとするのもつかの間、すぐ目の前に二つ目の急登が待ち受けています。とにかく、登りきるしかありません。


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11:19 急登を二つこなした標高880m地点で、休憩をとることにしました。北西方向から冷たい風が吹き付けてくるので、尾根の南側にタコつぼを作って休憩です。すでに出発してから2時間が過ぎています。無雪期なら、1時間も経っていないであろう場所ですが、さすがに初めからワカンを装着する必要があるほどの積雪状態なので、時間のわりに全然距離を稼げません。


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気温は予報通り氷点下7度でした。しかし、レイヤリングがうまく機能しているようで、ハードシェルやインサレーションジャケットを着なくても、とくに寒さは感じません。中綿入りのミドルレイヤにウィンドストッパーのソフトシェルは、こういう風の強い極寒の条件下ではなかなか快適です。


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11:33 休憩を終えて出発します。目の前の坂を登りきると、夏道と冬道の分岐点です。


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11:47 夏道と冬道の分岐点に来ました。夏道はこの先の尾根斜面を右手にトラバースするようについていますが、冬道は尾根を直進します。


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尾根をまっすぐ上がるだけなので夏道よりもかえってわかりやすいぐらいですが、黄色いテープもつけられているので、初めての場合でも安心です。


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ひたすら尾根を登っていきます。雪はたっぷりと積もっていて踏み抜くようなこともなく、根曲竹の上に積もった雪にしては歩きやすいと言えます。ただし、脛が半分以上埋まるぐらいのラッセルとなるので、それなりに体力を削られます。


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12:10 標高990m地点にある小さなピークに着きました。高低差の小さなピークなので地形図には掲載されていませんが、この先でいったん小さく下ります。


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立ったままドリンク休憩をしていると、急に雪が降りだしました。風があるので、左後ろから吹き付けてくるような雪です。吹雪とまではいわないにしても、それまで見えていた稜線が一気に見えなくなりました。ここで撤退もありかなと思いましたが、しばらくすると雪が小降りになってきたので、とりあえずもう少し先へ進んでみることにしました。


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尾根を進んでいくと、今度は急に天気が良くなって、なんと青空が見え陽射しまで降り注ぐようになりました。さっき引き返さないでよかったと思いました。GPV天気予報で日中は雪雲がかからないことを確認して登りに来たわけですが、最近の天気予報は当たる確率が高くなっているようです。


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12:31 なんだか急に空腹感に襲われてシャリばて状態になってきたので、ナラの木と思われる大木の前で、ランチタイムをとることにしました。このままでは山頂に何時に着けるのかわからないので、先にランチを済ませておいた方がいいとの判断です。この先は標高も上がり風も強くなりそうなので、風も弱いし陽も当たるこのあたりでランチにしておいた方が賢明です。


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今日は気象条件が厳しので、簡単に食べられるようにパンとカフェオレです。カフェオレは、あらかじめポットに入れてきました。たとえ吹雪の中でもさっと出して食べられる簡単ランチスタイルですが、幸いそれほど悪条件下ではなかったので、のんびりと食べることができました。登山と言えばいつでもバーナーでお湯を沸かして作るという人もいるようですが、常にバーナーが使える状態が確保できるという保証がない冬山では、あらかじめ天気予報や山のことを考慮して、ランチのスタイルもそれに合わせたものにしておいた方が食いっぱぐれることがなくていいと思うわけです。

つづく。


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